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表見取締役と名目取締役及び表見代表取締役 [平成22年度司法書士試験筆記試験]

 表見取締役と名目取締役及び表見代表取締役 

 今年度の司法書士試験の午前の部第35問の文中に表見取締役という文字をみたとき,見たこと,聞いたことがないなと思った人も多いことだろうと思います。表見代表取締役と見間違えた人も案外いるのではないでしょうか。

 表見代表取締役は,会社法の条文見出しにもあることだし,知っているけど,表見取締役は・・・という人が多いのではないかと思います。表見が前についている点で同じですから(外観法理ないし禁反言則による責任を負う場合という点では同じ),この単語だけ見たり聞いたりしたときは同じ仲間かなと考えるのが自然のような気がします。もっとも,問題文に「取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者」と書かれていましたから,落ち着いてみれば,表見代表取締役とは異なることは,すぐわかりますね。

 表見代表取締役の問題と表見取締役の問題は,誰の責任が問題とされているのかという点が,つまり,第三者による責任追及の相手方が異なります。表見代表取締役においては,表見代表取締役がした行為について株式会社が第三者に対して責任を負うというものですが,表見取締役においては,就任登記をされた表見取締役が第三者に対して責任を負うというものです。名目取締役も,名目取締役が責任を負うという問題です。

 では,例によって,問題となる条文です。声を出して読んでみませんか。表見取締役は,表見的取締役,名目取締役は,名目的取締役とそれぞれ的を付して呼ばれることもあります。

 表見代表取締役
 会社法354条
 株式会社は,代表取締役以外の取締役に社長,副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には,当該取締役がした行為について,善意の第三者に対してその責任を負う。

 表見取締役 名目取締役
 会社法429条1項
 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは,当該役員等は,これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。


 表見取締役
 会社法908条2項
 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は,その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。

名目取締役と表見取締役をどの条文の見出しにしようかと思いましたが,上記のようにしました。

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