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定時株主総会の季節 その5 [会社法いろいろ]

 招集者が,書面による議決権の行使と電磁的方法による議決権の行使とを重複して行使した場合の取扱いについて,会社法施行規則を読んでよく知った上で,議決権行使書面又は招集通知に記していれば問題はないのですが,知らずに,あるいは条文を読まずに,この点について,何ら記していなかった場合はどうでしょう。

 ありそうですね。

 この点については,解釈論となるわけで,支配権の争いが起こったときに,こういうことがあれば,大変でしょうね。神田先生は,後に到着した投票が優先するという見解のようです。浜田先生は,株主が後に発したことが明らかな投票を有効と扱い,先後関係が不明であれば,いずれの投票も認めないのが適切であろうとされています(逐条解説会社法第4巻P152)。

 電子投票は,インターネットを使うわけですから,瞬時に到達します。はがきを出した場合には,瞬時というわけにはいきません。はがきで第1号議案について賛に○をつけて出したが,その夜,考えが変わって,否として電子投票をしたという場合も当然あるでしょうから,それでも,後から到達したはがきによる議決権の行使が有効というのは不合理かなと思えます。浜田先生の見解が妥当かなと私は思いますが,どうでしょう。

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夏は,朝顔とひまわりが好きです。

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