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定時株主総会の季節 その3 [会社法いろいろ]

 株主が書面による議決権行使書面を送付した場合であっても,当該株主は,株主総会に出席して議決権を行使することができるか。同様に,株主が電磁的方法により議決権を行使した場合であっても,株主総会に出席して議決権を行使することができるか。

 結論からです。できます。この点については,明文の規定はありませんが,会社法298条1項3号及び4号は,「株主総会に出席しない株主が書面によって・・・電磁的方法によって」と規定してあります。書面投票及び電子投票は,株主総会に出席しない株主のためのものであり,いったん書面投票・電子投票をしたからといって,本則である株主総会に出席して議決権を行使することを否定することはできません。理論的には,まだ議決権行使の効果は発生していないわけですから,禁止規定がないかぎり,撤回(取消しではありません)することができますが,株主総会への出席は,この撤回とみることができます。

 株式会社側は事務処理上厄介かもしれませんが,株主総会に出席しての議決権の行使が本則です。なお,書面による議決権の行使の場合には,議決権行使書をポストに入れてしまって手許に残りませんから,受付けで,その旨を告げて会場に入ることができることになると思われます(株式会社側は,当該株主が書面投票をしているかどうか,照合するのだと思いますが,何らかの証明を要求するでしょうね)。電子投票の場合には,手許に残りますから,それを持って株主総会に出かけることになります。

 以上の点につき,今手許にある3社の招集通知にどこかこれに関する記載があるかなと思ってみましたが・・・・どう思います?見当たりませんね。そりゃ,記載しませんよね。


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