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条文を追っかける(2) [条文を追っかける]

今日は,ブログで何を書こうかなと思いながら,twitterでつぶやいていました。司法書士試験受験生のためのCheck Test 会社法237.238の解説書こうかなとも思ったのですが,しかし,だれも,この問題でつぶやかないし,ひょっとしたら,何てことない問題なのかも(どうなのでしょうか???)と思い,何か別の問題を・・・。
条文を追っかけるで何か・・・うーん。過去問で何かなかったか・・・。あった。

問題です。「監査役会設置会社の監査役は,その子会社である委員会設置会社の監査委員を兼ねることができないが,委員会設置会社の監査委員は,その子会社である監査役会設置会社の監査役を兼ねることができる。」○か×か。H20年第34問アです。答えは,○ですね。http://www.moj.go.jp/content/000011915.pdf

難しかったことも何度もやれば,いつのまにかそれが常識となっている。自分にとって常識になるまで繰り返す。難関試験を突破するのに必要なことではないかと思っています。この例として,この問題を出したかったということもあります。この問題をなんてことないと思っている人は,本問をとくための前提が,常識となった人です。何が・・監査委員は,取締役なんだということです。最初の頃は,委員会設置会社の理解は,大変だったのではないでしょうか。もちろん,私もそうでした。でも,監査委員は,取締役なんだということが常識になっていると,この問題はなんてことありません。

さて,条文を追っかけるのですから,条文です。
会社法335条2項「監査役は,株式会社もしくはその子会社の取締役もしくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与もしくは執行役を兼ねることができない。」

再び問題文
「監査役会設置会社の監査役は,その子会社である委員会設置会社の監査委員を兼ねることができないが,委員会設置会社の監査委員は,その子会社である監査役会設置会社の監査役を兼ねることができる。」
監査委員とは書いてない。しかし,監査委員は取締役である。
条文→会社法400条2項「委員会の委員は,取締役の中から,取締役会の決議によって選定する。」

問題文の書換え→「監査役は,その子会社の取締役を兼ねることができないが,親会社の取締役は,その子会社の監査役を兼ねることができる。」おなじみの問題となります。

では,応用問題です。
その1.「監査役会設置会社の監査役は,その子会社である委員会設置会社の指名委員を兼ねることができないが,委員会設置会社の指名委員は,その子会社である監査役会設置会社の監査役を兼ねることができる。」
○か×か。○ですね。各委員会の委員(指名委員,監査委員,報酬委員)は,取締役ですからね。

その2.「指名委員は,会計参与との兼任が禁止される。」○か×か。○です。会社法400条2項→会社法331条1項

その3.「監査委員は,支配人その他の使用人との兼任が禁止される。」○ですが,会社法400条2項→会社法331条3項ですね。

なお,会社法400条4項の監査委員の兼任禁止の規定読みにくいですが,ヤマガタ括弧などで括って読んでみて下さい。いらいらしたら読むのを止めます。ある委員会設置会社(A株式会社)の監査委員は,当該委員会設置会社(A株式会社)もしくはその(A株式会社の)子会社の・・・又は当該委員会設置会社(A株式会社)の子会社の・・・と読みます。