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株式交換における株主総会・種類株主総会の特殊決議,種類株主総会の特別決議 [会社法いろいろ]

くどいようですが,株式交換です。

(1)株式交換完全子会社の株主総会,種類株主総会の特殊決議です。株式交換完全子会社は,合併の消滅会社に当たるものですね(解散はしませんが)。

(ア) 単一株式発行会社
 株式交換完全子会社が公開会社であり,かつ,当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合には,株主総会の特殊決議を要する(会社法309条3項2号)。これは,合併と同様,株式交換により譲渡性の低い対価を交付される株主の保護を図るためです(商事法務№1753 P39参照)。

(イ) 種類株式発行会社
 株式交換完全子会社が種類株式発行会社である場合において,株式交換対価の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは,当該株式交換は,当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く)の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が2以上ある場合にあっては,当該2以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の特殊決議がなければ,その効力を生じない(会社法783条3項本文,324条3項2号)。株式交換により譲渡性の低い対価を交付される種類株主の保護ですね。

(2) 株式交換完全親株式会社 合併における存続会社に当たります。

(ア) 単一株式発行会社
 特別決議。略式交換及び簡易交換は認めないとしています。株式会社交換完全親株式会社が特別支配会社であっても,株式交換対価の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって,株式交換完全子会社が公開会社であり,かつ,種類株式発行会社でないときは,株主総会の決議を省略することはできない(会社法784条1項ただし書)。なお,株式交換完全子会社が株式交換完全親株式会社の特別支配会社である場合について,会社法796条1項ただし書参照です。簡易交換は,会社法796条3項柱書のただし書参照です。

(イ) 種類株式発行会社
 株式交換完全親株式会社が種類株式発行会社である場合において,株式交換完全子会社の株主に対して株式交換完全親株式会社のある種類の株式を交付する場合に,株式交換は,その種類の株式が譲渡制限株式であって,定款で当該種類株式の募集について種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがないものについては,その種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が2以上ある場合にあっては,当該2以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会)の特別決議がなければ,その効力を生じない(会社法795条4項3号,324条2項6号)。