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「体系書 会社法 下巻」発刊もうすぐ はしがき [体系書 会社法]

 
はしがき


 本書は,主として司法書士試験受験生のための会社法の体系書である。
 既刊「体系書 会社法 上巻」の続巻として,『第2編 第6章 計算~第10章 清算,第3編 持分会社 第4編 社債,第5編 組織変更,合併,会社分割,株式交換及び株式移転,第6編 外国会社』を納めている。
 下巻を構成する項目については,受験生のみなさんから,とりわけこれらの箇所が,会社法の中でも理解しにくいとか苦手であるという声を聞く。そして,それは,特に,第5編の「合併,会社分割,株式交換及び株式移転」において,顕著である。難解であるゆえんは,これらの組織再編行為について,会社法がその構成として,「共通規定と固有の規定とに整理した」(立案担当者による新・会社法の解説P4)ことと,読替え規定,適用や準用を除外する規定(文言)(限定するものを含む)の存在にあるのではないかと思える。
 そこで,本書では,第5編において,合併,会社分割,株式交換及び株式移転を,それぞれ独立の章とした上で詳細な解説をすることを心がけた。また,よりたやすい理解に資するようにいくつかの図も入れた。執筆にあたって,手続が共通する箇所について,他の頁を参照しなくてもいいように,例えば,合併の場合と同様であるという一言で片づけることなく,繰り返しになるとしても,やむを得ない場合は別として,省略しないように努めた。さらに,適用・準用除外規定や読替え規定についても,理解しにくい部分については,できる限りわかりやすいようにと意識しながら,書きすすめた。他の編についても,可能な限り省略しないことを心がけたつもりである。そのため,上下巻合わせて950頁を超えるものとなった。それでもなおという箇所もあるだろうが,その部分については,皆さんの声を聞きながら,より完成度の高いものへと改訂を重ねていきたいと考えている。
 なお,上巻・下巻を通して,振替株式,振替新株予約権,振替新株予約権付社債,振替社債についても,必要部分について言及し,平成21年の会社法施行規則及び会社計算規則の改正を反映させ,その他,最新の法令等に基づいて記述したことを付け加えておきたい。
 最後に,本書の利用により会社法に強くなった人達が,少しでも早く司法書士試験に合格し,誰からも頼りにされる司法書士として活躍されることを強く願っている。

 2010年5月10日