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無記名社債権者の議決権の行使 [会社法いろいろ]

司法書士試験受験生のためのCheck Test 会社法230は,議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は,社債権者集会の日の1週間前までに,その社債券を供託しなければならない。○か×か。でした。解答は,×ですね。https://twitter.com/ueda_m

間違っているところは2文字なので注意しなければなりません。「供託」ではなく,「提示」です。供託までしなくても提示で足りるということです。旧商法が供託としていたのを会社法が提示で足りるとしたわけです。無記名社債とは,どういうものか,くどいほど書きましたから,もういいと思いますが,ともかく,社債発行会社・社債管理者は,社債権者の氏名又は名称及び住所を知りません。社債原簿と照合するというわけには行きません。しかも,わが国では,ほとんどが無記名社債です。

この改正案(要綱案)の説明会だったと思うのですが・・・江頭先生の説明だったか,はたまた立案担当者の説明だったか・・・ほかの方だったか(多分江頭先生,九段会館で,と思うのですが記憶間違いかもしれません),次のような話をされました。社債権者集会を開くのは,大変である。というのは,証券会社が保護預かりをしているものについて,証券会社の社員が大量の社債券を供託所に運搬しなければならないのでそれはそれは大変だと・・・。聞きながら頭の中に汗をふきふき車に社債券を運び込む証券会社の社員の姿を思い浮かべました。もちろんコストもかかっていたはずです。これを会社法は,提示で足りるとして合理化しました。何年か経って,証券会社で社債券を供託所に運んだことのある人が,社債権者集会が開催されるときに,担当の後輩達に,昔は大変だったよ・・・という話をするかもしれません。

条文です。会社法723条2項「議決権を行使しようとする無記名社債の社債権者は,社債権者集会の日の1週間前までに,その社債券を招集者に提示しなければならない。」
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