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民法の改正 児童虐待防止のための親権に係る制度の見直し 最終回 [民法]

最終回です。未成年後見監督人が中心です。青が要綱で,黒太文字が現行民法の条文です。

要綱
第3 未成年後見
 4 未成年後見監督人
 ① 家庭裁判所は,必要があると認めるときは,未成年被後見人,その親族若しくは未成年後見人の請求により又は職権で,未成年後見監督人を選任することができるものとする。
 ② 未成年後見監督人についても,第3の2②及び3と同様の規律とするものとする。

上記は,成年後見監督人の選任に関する現行民法849条の2,それから民法852条による843条4項及び859条の2の準用に対応するものです。

 平成11年の民法改正前から,後見監督人の数については,成年後見監督人も,未成年後見監督人も,複数であってもよいと解されてきました(成年後見監督人については,平成11年の民法改正で民法852条による859条の2の準用によりあきらかにされました)。今回,未成年後見監督人についても,これを法文上明確にし,数人ある場合の権限の行使等について明文の規定を置き,未成年後見人と同様の規制としようというものではないかと思われます。

 法人が後見監督人になれるかどうかについては,成年後見監督人については認めていましたが(民法852条による843条4項の準用により明らかにされた),未成年後見監督人については,否定に解されていました。この点についても,未成年後見監督人も法人がなることができることとして,それに関する規定を置くことにしたものです。

(成年後見監督人の選任)
 民法第849条の2
 家庭裁判所は,必要があると認めるときは,成年被後見人,その親族若しくは成年後見人の請求により又は職権で,成年後見監督人を選任することができる。


第4 その他
 1 15歳未満の者を養子とする縁組
 法定代理人が民法第797条第1項の承諾をするには,養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときは,その同意を得なければならないものとする。
 (注)民法第806条の3の規定は,1の同意についても適用するものとする。

親権の停止の制度を認めたことから,親権を停止された親権者の同意について規定しようというものです。

 2 その他
 その他関連する規定について,所要の整備を行うものとする。

後記

ゆっくりし過ぎてしまいました。昨日(3月4日),「民法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたようです。http://bit.ly/gzuaOx というわけで,あわてて最終回となりました。あわてて書きましたので,間違ったことを書いていないか少々心配ですが,気づいたことがありましたらご指摘ください。


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