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午前の部 第6問 [平成22年度司法書士試験筆記試験]

平成22年度司法書士試験午前の部第6問

今年の民法の問題です。今年受験された方だけでなく,今年は受験しなかった方,さらに司法書士の方もたくさん読んでくださっているようですので,まず,問題文からです。すでに司法書士になっていて,司法書士試験が過去のものになっている人にも見てほしいなと思う問題です。

行が乱れて読みにくくなるかもしれませんが,ご容赦を。対話形式の問題です。

第6問 次の対話は,意思表示に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
教授: 表意者が一定の法律効果を意欲する意思を表示する行為を意思表示といいますが,この意思表示の例としては,どのようなものがありますか。
学生:ア 契約の申込みと承諾,さらに遺言があります。
教授: 債務の履行の催告は,意思表示ですか。
学生:イ 債務の履行の催告により,時効が中断することがありますし,解除権の発生という効果が発生することがありますから,意思表示です。
教授:遺失物の拾得は,どうですか。
学生:ウ 遺失物の拾得により,その物の所有権を取得するなどの効果を生じることがありますが,拾得者の意思に効果を認めたものではないので,意思表示ではありません。
教授: 指名債権譲渡の債務者に対する通知は,どうですか。
学生:エ 通知をすることにより,対抗要件を具備することができるので,意思表示です。
教授: 最後に具体的な例で聞きますが,賃貸マンションの所有者である甲が「101号室 入居者募集 甲」とだけ書いた張り紙をマンションの入口に掲示して,入居者を募集する旨を表示することは,意思表示ですか。
学生:オ その張り紙を見た乙が,甲に入居したいと申し出ることによって,賃貸借契約が成立しますから,意思表示です。
1 アイ 2 アウ 3イオ 4 ウエ 5 エオ

アとウが正しい記述で,2が正解です。正解肢が,意思表示の例,遺失物の拾得が意思表示かどうかを問うものだったので,難しい問題ではないとは思うのですが,受験生にとってみればどうだったのでしょうか。申込みの誘引に関するオが正解選択肢とされていたらどうだったか・・・。そうです。正解肢ではなかったのですが,申込みの誘引が出たのです。

申込みの誘引は別としても,しかし,意思の通知や非表現行為といったところを受験生がきちんとやっていたかどうか。答練で,このような問題を出すと,多数かどうかは別として受講生からのブーイングがあったのではないかなと思うのですが・・・。本試験に出ないような問題を出してというブーイングです。かつて,ときどき,直接にではなく(直接は言いにくいでしょうね),他の講師から,「受講生が・・・」と聞くことがあって,その後,しばらく問題が作りにくくなったということがときどきありました。その後,そのようなところの出題を控えたら,その年に出題されて,悔しい思いをしたこともあります。

もっとも,本問で,正解を出せた人にとっては,本試験問題としては,ブーイングはなしでしょうね。

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コメント 1

隼

せっかく問題を打ち込んだので(打ち込み間違いがあったらご指摘ください),次回,少しばかり,解説もしくはコメントをしてみましょうかと思っています。
by (2010-09-07 19:08) 

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