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問屋の法律関係 その1 [平成22年度司法書士試験筆記試験]

 問屋の法律関係

対外関係
 商法552条1項   問屋ハ他人ノ為ニ為シタル販売又ハ買入ニ因リ相手方ニ対シテ自ラ権利ヲ得義務ヲ負フ

 これは,問屋と第三者との間でした売買契約について権利を有し義務を負うのは問屋であるということを意味する条文です。問屋と第三者(相手方)との間の売買契約は,問屋が自分の名でしたものだから,法律上の権利義務の主体は,委託者ではなく,問屋であり,これは,当然のことを規定しているということになります。問屋の行う売買が委託者のために行われたことについて,第三者(相手方)が知っていたかどうかによって結論に違いはありません。「問屋と相手方との関係は,通常の売買における売主と買主との関係と同一である。委託者が問屋の相手方と直接の関係に立つことはなく,委託者は問屋から権利の譲渡を受けまたは債務の引受をしない以上,問屋の相手方に対して権利を主張することはできないし,また義務を負うこともない。」(コンメンタール商行為法P281)。

このように,対外関係においては,内部関係で問題となる経済的実質よりも法的形式が問題となります。そこで,売買契約の成立及び効力に影響を及ぼすべき事情は,問屋について決されることになります。もっとも,民法101条2項は類推適用されると解されています。

 民法101条2項
 特定の法律行為を委託された場合において,代理人がその指図に従ってその行為をしたときは,本人は,自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても,同様とする。

 平成22年度司法書士試験 午前の部 第35問
 ア 問屋は,委託者のためにした物品の販売に関し,支払を受けることができるが,仲立人は,媒介した商行為に関し,当事者のために支払を受けることはできない(問題文冒頭に,「ただし,別段の意思表示又は慣習はないものとする。」とあります。)。○
 前半も後半も正しい記述です。なお,後半については,前述 http://bit.ly/9H4exH

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